広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    世界的な精米需要受け拡販へ / 松本 和久 氏
    NEWSな人
    三輪電動バイクを販売 郊外や観光利用に期待 / ユナイテッド・ソリューション 北浦 弘久 社長
    4月、社長就任 時代に合わせたバス会社へ / 江田島バス 藤田 睦 社長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
テッラ・ナチュラーレ / 橋本 京子 店長

広島駅弁当が5月、金座街商店街の福屋八丁堀本店南側に開業した高級食パンを使うサンドイッチ専門店。1階の約100平方㍍に製パン工房と調理場があり、出来立てを提供。2階には飲食スペースを設けた。橋本京子店長は、
「2020年にオープンした『道の駅三矢の里あきたかた』内の、高級食パン専門店やレストランなどの店長を入社1年目で任され、今回は内装や設計など新店の立ち上げにも関わった。愛される店づくりへ、期待に応えたい」
 総菜やフルーツ系など常時約20種類を用意。オリジナルソースなどを開発したほか、ミルフィーユカツやコロッケを店内で手作りするなど、約120年続く弁当業者の調理ノウハウを生かす。地産地消を掲げ、高宮産の熟成鶏や向原農園の卵、平田観光農園の果物・ジャムも使う。高級食パンも販売。「手作りにとことんこだわり、多くの人にそのおいしさを伝えたいと、価格は一つ350円前後に設定。『広島県産フレッシュいちごサンド』(410円)が人気で毎日品切れ状態。これからは旬のメロンを使ったサンドを始めます。手土産にもお薦めです」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区堀川町5-19
  • ◆席数:約30席
  • ◆営業時間:午前10時〜午後5時
  • ◆定休日:水曜
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
楠原壜罐詰工業 / 楠原 雄治 社長

伊藤園からのOEMを中心に清涼飲料水などを製造。今年創業125周年を迎えます。自社工場はサンフレッチェ広島のマザータウンでユースチームが寮を構える安芸高田市吉田町にあり、2021年シーズンからクラブパートナー企業に仲間入りさせていただきました。
 私は当社に入社する前からサンフレファミリー(サポーター)。長崎県出身で中高バスケ部だったため、実は広島にもサッカーにも縁がなかったのですが、前職で広島のテレビ局のカメラマンとしてサンフレのサッカー中継を担当。個性的な選手たちや、ポジションなどの奥深さから一気に熱中。大学生の息子も3歳の頃からサッカーを始め、今では親子で試合を見ながら議論を交わします。
 特に注目している選手は今季トップチーム昇格を果たしたフォワードの棚田遼選手。息子と同学年の広島出身で、キレのあるドリブルには彼が小学生の頃からほれ込んでいました。長年見てきたプレーの中で最も印象的だったのが、ジュニアユース最終選考ミニゲームで決めたゴール。長めの縦パスにうまく合わせた華麗なシュートは今でも忘れられません。ちなみに、そのパスを出してアシストしたのは私の息子です。プロ初ゴールはまだ出ていないので、あの時のような活躍でファミリーを沸かせてほしい。
 今季のチームは選手のコロナ感染などがありましたが、5月末時点で7位。目先の優勝はもちろんのこと、24年のサッカースタジアム完成を見据えて、育成出身の若手の中から新たなスター選手が誕生するよう期待しています。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
考える〝脳業〟目指す

当時は意表を突くアイデアだった。発芽野菜生産で日本一の村上農園(佐伯区)はしたたかに危機を乗り切り、売上高100億円企業へ成長を遂げる。土壌を見極め、市場を見極め、考え抜いたあげく決断。その頃の主力生産品だった「紅タデ」、「カイワレ大根」から大転換を迫られる事態に遭遇し、その都度むしろ豊かに地力を養った。
 1966年に設立(78年法人化)以来、生来の負けじ魂と創意工夫の取り組みがある。得意を生かす考えが根本にあり、葉になる前の若い「発芽野菜」分野にとことんこだわった。96年に病原性大腸菌O-157の感染源がカイワレ大根とする風評被害を受け、大打撃を受けるが、素早く豆苗にシフト。業績をV字回復させた。以降もブロッコリースーパースプラウトやマルチビタミンB12かいわれ、マイクロハーブなどを相次ぎ投入し、先頭を走る。村上清貴社長(61)は、
「発芽野菜ひとすじ。当時は日本になかった野菜や一般に出回っていないものに目をつけた。効果的な栽培方法を考案して〝農業の工業化〟を図り、生産センター拡大などで急速に普及させた。39年に創業した村上ナヲヨ(故)、そしてカイワレ大根に事業転換した先代社長の秋人(故)の姿を見て、世にないものに着眼する重要性を学んだ」
 もはや村上農園の遺伝子なのだろう。抗酸化力を高める成分が豊富なブロッコリーの発芽野菜は米国ジョンズ・ホプキンス大学が持つ国際特許の権利委託先BPP社とライセンス契約。日本で初めて生産を始めた。
 機能性を確かめて野菜を選ぶという考えが広まり、新たな需要を掘り起こす。発芽野菜の英語訳「スプラウト」と銘打ったことも斬新で、消費者の注目を集めた。健康志向を背景に、テレビの情報番組などでしきりに取り上げられるなど追い風が吹く。発芽野菜のレシピ考案や本の刊行、インターネットによる情報発信にも力を入れる。次第に〝業界の仕掛け人〟と言われるようになった。
「自ら考え、行動し、諦めずにやり抜く〝考動〟の人材を育成。価値創出の原動力となっている。農作物は天候などによって収穫量や品質が変わり、価格が左右される。当社は全国10カ所の生産拠点でウェブカメラによる成長観察の記録などを一元管理し、環境データも参照しながら専用施設で栽培。安定供給を実現した。また、好景気によく手にとってもらえる高価格帯の商品と、景気が悪くても堅調に売れる低価格帯の商品を経営の両輪に据えたことで、外部環境によるリスクヘッジを図っている」
 プロフェッショナルの技、知恵を磨く。2021年2月にコンピューター自動制御の栽培装置などを備えた完全人工光型の植物工場を山梨に新設。将来は蓄積したデータを基にAIが適格な指示を出す仕組みをつくり、勘や経験に頼らない農業を目指す。こうしたノウハウをライセンスとして外国企業に供与し、新たなビジネスに育てる狙いだ。
「農業をブレーンビジネスと捉えた〝脳業〟がテーマにある。みんなと同じことをしても成長は限られている。われわれの前に道はなく、後ろに道ができると信じて、歩みを進めたい」

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